こんにちは、kusaoです。
「柿渋」と聞いて、何をイメージしますか?
私は・・・「おっさんの加齢臭」です。
スーパーやドラッグストアに行くと、「柿渋」と書かれた石鹸がよく売られています。
加齢臭や体臭に悩む方にはありがたい成分なのですが、実は柿渋って単に消臭するだけじゃないんです。
古くからいろんな場面で使われてきた柿渋ですが・・・
2020年には、なんと「柿渋の成分で新型コロナウイルスを不活性化した」という衝撃のニュースが報道されました。
一体何者なんだよ、柿渋・・・
というわけで、今回は柿渋の凄すぎるポテンシャルのヒミツをまとめました。
柿渋っていったい何者?
そもそも柿渋って何だかご存知ですか?
柿渋とは、渋柿の実から搾ったジュースを発酵・熟成させたものを言います。
文献に残っているだけでも、平安時代からいろんな用途で使われていたそうです。
柿渋は国内のいろんな場所で作られてきましたが、特に知られていたのが
- 岐阜の美濃渋
- 京都の山城渋
- 岡山の備前渋
これらは日本三大柿渋として有名でした。
しかし、戦後急激に柿渋産業は衰え、いまでは京都の山城地区以外の柿渋製造はほぼ廃れてしまっています。
とはいえ、1000年以上も使われてきた柿渋。
そのポテンシャルが、すごいんです。
柿渋の効果・効能について
柿渋の効果効能というと、主に「柿タンニン」の効果効能をさすことが多いです。
柿渋にはタンニン(柿タンニン)の他にもカテキンやフラボンなど、どこかで聞いたことのあるような栄養素がたっぷり含まれています。
ちなみにタンニン、カテキン、フラボンは「ポリフェノール」の一種です。
これも聞いたことがあるって人も多いのでは?
タンニン
抗酸化作用、ウイルスや菌の増殖を抑える働きがあります。
柿タンニンに含まれるフェノール性水酸基という物質がニオイ成分と化学的に反応して、ニオイのない物質に変えるのです。
加齢臭の元となる「ノネナール」、汗臭「アンモニア」、足臭「イソ吉草酸」など、さまざまな悪臭に消臭作用を発揮することが明らかになっています。
詳しくは後ほど解説します。
カテキン
コレステロールの吸収を抑え、脂肪の吸収を穏やかにするはたらきがあります。
若さを保ちたい方、生活習慣の気になる方に有効とされています。
カテキンを多く含む食品として有名なのが緑茶ですね。
フラボン
血圧を適正にコントロールしたり、血管壁に作用し柔軟化させるはたらきがあります。
抗菌作用もあるため、消臭にも効果を示します。
「大豆イソフラボン」で一躍有名になりました。
なぜ柿渋は消臭力があるのか
柿渋=消臭というイメージを持っている人も多いかと思います。
そもそもどうやって柿渋が消臭してくれるのか、主成分である柿タンニンについて詳しく見ていきます。
柿タンニンってこんな形してます
ちなみに、柿タンニンの化学構造式がこちら。
引用元:リリース科学工業株式会社公式HP
この化学構造式を見てパッと分かる人はほとんどいないと思いますが・・・ちなみに私もよく分かりません(笑)
写真の中にいくつも「-OH」という部分があるのは分かるでしょうか。
これをフェノール性水酸基といい、フェノール性水酸基がたくさんある化合物のことを「ポリフェノール」(ポリは”たくさん”の意味)といいます。
化学的に少々乱暴な説明なのはご了承ください。
このフェノール性水酸基がニオイの元となるアンモニア、イソ吉草酸などとくっつきます。
すると化学的に形が変わり、ニオイを出さなくなるんです。
これが、柿渋の消臭の仕組み。
ですが、それだけではありません。
柿タンニンは抗菌作用もすごい
柿渋には消臭作用だけでなく、抗菌作用、つまり細菌の繁殖を抑えることができます。
これもまた、柿タンニンにたっぷり含まれるフェノール性水酸基がキーマンです。
ニオイの原因の多くは、皮膚にいる雑菌が皮脂やタンパク質を分解する際に発生する、という話はこのブログでも何度も取り上げてきました。
柿タンニンにはこういった雑菌の増殖を抑える効果があります。
雑菌がいない⇒皮脂の分解も行われない⇒ニオイが発生しない、ということになるわけですね。
柿渋を使った消臭グッズも多く販売されています。
こういった消臭・抗菌効果に優れた柿タンニンを使っている消臭グッズは多く販売されています。
メジャーなところだと、柿渋を配合した石鹸でしょうか。
当ブログでも柿渋を配合した「アニセ薬用石鹸」という足専用の消臭石鹸をレビューしています。
値段としては少々高い部類に入るのですが、使ってみるとその効果に納得できます。
足を洗い続けるだけで臭いが消えていくので、気になる方はレビュー記事をご覧下さい。
⇒アニセ薬用石鹸は1週間で消臭効果を実感!口コミを検証してみました
新型コロナウイルスを不活性化!?
柿タンニンの高いポテンシャルについて、様々な分野で研究が進められています。
実はこれまでに、柿渋はインフルエンザやノロウイルスに対して抗ウイルス効果があることが分かっています。
さらに、2020年の9月に奈良県立医科大学が衝撃的な発表をしました。
柿から高純度に抽出した柿タンニン『柿渋』が、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を1万分の1以下に不活化することを確認したというのです。
人に対して有効かどうかはこれからの研究次第ですが、柿渋が歴史に残るような偉業を達成するかもしれないんです。
柿渋マジスゴイ・・・
※一応書いておきますが、柿を食べれば新型コロナウイルスに感染しない、ということではありません。
まとめ
柿渋って、ここで紹介した以外にもすごいパワーを持ってるんです。
ポリフェノールがワインの10倍以上とか、防腐剤・防水材として使われてるとか、口臭予防にもなるとか、まぁ書き出したらキリがないくらい。
単に消臭グッズだけで終わらせるにはもったいないくらいでした。
そんなすごい柿渋製造がほぼ廃れてしまっている、というのは哀しいですね。
せめて私は、柿渋を使った消臭グッズを使い続けて、業界を盛り上げていきたいと思いました(#^.^#)
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